- 苫田ダム セレクション -

苫田ダムは鏡野町にある吉井川水系のダムです。堤高74mと特別たいした事はなく、立派なクレストゲートがついているわけでもありません。特徴といえば、水位調整ゲートの真上にガラスで覆われた見学室が設けられていること、そして自然越流がラビリンスといわれる形状になっていて効率がよいことに加えて非常に美しいことです。

しかし残念というか、試験放流を見逃した私にっては、おそらく生きているうちにはラビリンスからの越流をみる事はできないといわれています。設計上、自然越流は150年に一度の確率ということです。でしたら、観光放流でもやってもらえないかと願っているのですが難しいようです。

このように苫田ダムはごく平凡なダムですが、地元では政治的な抗争が長く続き、完成までには長い時間を要しました。ホームページには「苫田ダムは昭和42年の予備調査から40年、着工から6年の歳月を経て完成しました。地元の人々をはじめとする多くの人々の協力を経て平成17年4月から運用を開始しています。」と紹介されていますが、岡山県が吉井川総合開発事業に着手したのは昭和28年のことでした。

一般に、ダムというのは自然破壊と非難される場合がありますが、そんなことよりも先祖代々の土地や村が湖底に沈むのを余儀なくされる人々にとっては死活問題です。それがどのくらい重大なことであるかということは、田舎の百姓の長男として教育された私にはある程度理解できます。と同時に、吉井川の決壊で集落が海のようになってしまった歴史のある私たちは、ダムによる恩恵や必要性について身を持って理解しております。吉井川上流にダムが建設される事は悲願であったと聞かされています。

吉井川下流域で暮らす者の一人として、下流域の人々が安全で豊かに暮らせるために、村や土地が湖底に沈むことを了承された方々に対しては敬意の念を持ち続けております。このような者にとっては、ただの平凡な「ダム」とは言い切れない思い入れのあるダムが苫田ダムなのです。苫田ダムによる水没戸数は470戸とのことです。


No.012007.11.3 撮影
Canon EOS 20D / Canon EFs10-22mm F3.5-4.5 USM

No.022007.11.3 撮影
Canon EOS 20D / Canon EFs10-22mm F3.5-4.5 USM

No.032009.4.11 撮影
Canon EOS 5D / Canon EF24-105mm F4L IS USM

No.042009.7.22 撮影
Canon EOS 5D / Canon EF70-200mm F4L IS USM

No.052007.11.3 撮影
Canon EOS 20D / Canon EFs10-22mm F3.5-4.5 USM

No.062008.11.12 撮影
Canon EOS 5D / Canon EF70-200mm F4L IS USM

No.072009.7.2 撮影
Canon EOS 5D / Canon EF24-105mm F4L IS USM

No.082008.3.22 撮影
Canon EOS 5D / Canon EF24-105mm F4L IS USM

No.092009.4.11 撮影
Canon EOS 5D / Canon EF17-40mm F4L USM

No.102009.7.22 撮影
Canon EOS 5D / Canon EF24-105mm F4L IS USM

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